第9地区

Twitterであまりにも流行っているので見に行ってしまった。
(※ちなみにシャーロック・ホームズも見ました。
ルパン三世の新作だと思えばすごく面白かった)


こ、これ、二十世紀少年よりも低予算なの……?
金の使い方考えろよ邦画!


ヨハネスブルグの描写が2ちゃんねるコピペの「ヨハネスブルグガイドライン」そのまんますぎて笑った。
これ日本じゃ企画段階で却下だw


しかしテーマがテーマだけに、アバターといろいろ比べてしまう。
ていうかわざとアバターと逆にしてないか?


アバターは映像美が売りだが、第9地区の映像はゴミ溜めとグロい触手生物ばっか。
アバターは「大量消費文明=悪、未開=エコ、ロハス、スピリチュアル」だったが第9地区は未開人も容赦なく悪。
ていうか主人公も悪。
善良なのはちろっとしか出てこない主人公の嫁以外にはクリストファーだけだが、触手うにょうにょ体液デロデロなので何言っても信じてもらえない。
アバターの宇宙人は肌が青いだけでそれなりに美人とかいたので地球人の味方も結構いたけど、触手うにょうにょのエビたちに群がるのは悪人と野次馬だけ。
この性悪説っぷりがたまらない。


傭兵さんたちが「FUCK FUCKって言いながら死のうぜ」感満載なのは燃える。
RPG(兵器の方)の扱いも燃える。


てかアバターは「非リア充の妄想乙」だったが、第9地区は「…夢オチなら今言えよ? 今なら許すから。てか夢オチだと言ってくれ」という感じがとても。


この辺からネタバレなので畳んでおきます。

                                                                      • -


アバターのあいつ、女の色香に血迷ってただけだったな……
伝説のスーパーサイヤ人だしさ……


第9地区はその辺、主人公には何の得もないのに奮闘する様が滅びの美学だ。
自分はもう元に戻れないのに、かわいくもない触手生物のために命張って傭兵軍団と戦う。
「義」だ。
隊長を助けるために、ついに特攻まで始める傭兵軍団の必死さも悲哀。


弁慶の立ち往生みたいだったから、日本人は結構こういうの好きなんじゃないかな。
多分、敵とか味方とかわけわかんなくなって脳内麻薬の赴くままに暴走してただけなんだろーが、その狂気が美しい。


きっと物語が終わった後で、彼は何度も後悔するだろう。
後悔と諦めを繰り返すことこそが人間性というものだ。


……アバターのあいつが女と破局して「こんな星来るんじゃなかった!」とか喚き出したら多分ボコボコに殴る。