初給餌

店員に金魚に餌をやれとしつこく言われたので、死ぬほど余ってる熱帯魚の餌をやってみる。
……食欲はあるようだが、何で浮上性のフレークフードを食べるのに底を探すんだこいつら。
ナマズか?
餌やってなかったのは店の方じゃねーか。


くそっ、あんまり世話したら情が移るじゃないか。
ええい揺らぐなこるもの!
お前がさっき食ったアジの開きは何だ!
昨日の晩飯はサンマの刺身だ!
金魚とサンマに上下をつけていいとでも言うのか!


しかし金魚にはビタミン破壊酵素が含まれているので、一刻も早くコオロギに餌付けた方がいいのも事実。
餌付けの基本は空腹時、まず餌付けたいものから見せるということでコオロギ缶を開ける。


くせえ!
虫くせえ!
しかも見向きもしねえ!


……コオロギより牛ハツとかに餌付けた方がいいだろうか。
究極そればっか喰わせてる人もいるようだし。


まあ最初は仕方ないよね、とあっさりコオロギを諦め、いよいよ金魚。
結構元気なんだこれが。当たり前だけど。
ひっぱたいて弱らせるとこまでは流石にできないので空中に出して弱るのを待ったが、あんまり弱らない。
まあそうだわな。
うちのアミメ、水換えのときに飛び出して15分くらい乾いてたけどそれでも今生きてるもんな。


カエルよ、お前は肉食だ。
現地では生きたゴキブリやクモを丸呑みしてるはずだ。
いちいち腹の中で金魚が暴れたくらいで死なないよな、というわけでお前の腹の中で弱らせてくれ。
金魚は虫より尖ったパーツが少ないから何とかなるだろう。


飼育本には「床材の土や砂利を一緒に飲み込むとロクなことにならないので餌は基本ピンセットでやれ」と書いてあるが、うちの床材はでかいスポンジなので飲み込む心配はない。
てーか、ピンセットで目の前にちらつかせても何か反応しないんだが。
仕方なく床に置いて待つことしばし。


丸呑み。


カエルは、物を飲み込むとき目をつむる。
飛び出してる目玉を引っ込めると目玉の分、口の中が狭くなるのでそれで物を腹の中に移動させる。
……さらっと書いたが眼窩のすぐ下が口粘膜ってことだな、テキトーな生物だ。
両目を閉じたカエルは耳を寝かせたハムスター以上に何だかわからない生物だ。


金魚は残り8匹。
果たしてこいつはコオロギを食べてくれるのでしょーか。