カエル



ついにクランウェルツノガエルが我が家にやって来た。


……家族には反対されたのだが、今の俺には癒しが必要だ。


包んでもらいながら店の兄ちゃんに聞いてみる。


「これってビタミン剤もあった方がいいですかね?」
「あ、コオロギに餌付いてないです。小赤です」


……金魚?
これ、こんなちっさいのに金魚喰うの?


「1度に2〜3匹食べますよ。コオロギの方が楽なのは確かだから頑張って餌付けてください。
あ、小赤は小赤でちゃんと餌やってくださいね」
「……世間にはそんなにも餌金に餌やらない人が多いのか?」


確かにこの店の小赤、病気はなさそうだが何かメッチャやせてる。


意外にこれまで餌金というものを使ったことのない俺。
映画デスノートでは藤原竜也がアロワナを飼ってるのを見て


「こいつもこんな顔して、金魚を平手打ちで半殺しにしてサカナに喰わせたりしてるのかな……流石夜神月だ」


とか思ってたが、ついに一線を越える日が来たわけだ。
とりあえず小赤10匹とコオロギの缶詰買ってきた。
丁度40センチ水槽が空いていたので小赤を入れたが……まずい、これはこれで落ち着いてしまいそうだ。
だから生き餌は嫌なんだよカエル飼ってんだか金魚飼ってんだかわかりゃしねえ。
早く死にコオロギに餌付けないと。


姉「名前は?」
俺「どーせ皆カエルとかケロリとか呼ぶに決まってるから、カエル」
姉「……それ、名前?」
俺「凝ったのをつけると後で恥ずかしいぞ」


金魚鉢で愛らしく飼おうと思ったが、スポンジがうまく沈まなかったのでシンプルイズベストのプラケース+スポンジ+水で落ち着いてもらう。
しばらくは無難な路線で行った方がいいだろう。


……クーラー25度設定だと暑いな。