『非モテ~』あとがき

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に関してです。

(※サイトが違うだけで内容は基本的に全部同じです)

(※Kindle版にだけ限定特典がいくつかついています)

 

元々『落窪物語』は継子いじめをする「中納言家の北の方」と「男君」が継子の落窪を挟んで殴り合う話という構造なのですが。

「北の方」が毎回何かしらやらかし、何かしらの落ち度があり、ひどく落窪をいじめているので「男君」がそれを上回る復讐をするのですが。

どんどん2人の争いがヒートアップしていき、引き返せないところまで行くのですが。

 

ここで「北の方」だけを隠すと、「ものすごい信じられない性格の悪い男」と「いじめられっ子3人」が残る、というのが上記のパロディになります。

「ものすごい性格の悪い男がいる」のが前半、「そいつすらいなくなっていじめられっ子3人だけが残される」のが後半です。

 

原典は復讐譚と言うものの、「男君」の復讐はやりすぎで、継子いじめをされる落窪の仕返しをするあまり中納言家の四の君に望まない妊娠をさせて娘を産ませ、その娘が四の君と再婚相手とともに当時、大変つらい太宰府への赴任に旅立つところで物語は終わります。

新しい娘が継子いじめをされる環境になり、落窪よりひどい太宰府に行って終わる。

 

「復讐は何も生み出さない」というオチでミステリを締めるのは陳腐すぎるという昨今の風潮ですが、「男君」の復讐が新たな悲劇を再生産しているこの物語。

恐らく意図的に。

大体、現代語訳されるときにこの「新しい娘」の存在が消されます。

それはもう皆さん手を替え品を替え、いろいろな方法で。

「男君」の復讐の正当性を誰も認めていないわけです。

この作者はそこを一番書きたかったんじゃないかな、というフシがあるのに……

多分この人、そもそも美少女がひたすらいじめられるのに萌えるタチだったんじゃないかな……

 

現代では認められない形の復讐、ぜひ他の現代語訳版と読み比べてほしいと思います。

大抵の現代語訳版に書いてある部分は書いてない話でもあります。

 

そもそもこのセックスアンドバイオレンスは絶対商業では企画通らないぜ! という話だったりもします。

(※無事、Kindle基準で全年齢です)

企画が通らないから皆さん改変してたんだろうしな!