大阪小説ワンダーランド

「有栖川先生が阿倍野で講演やるんだって! 行く?」
「行くー!」


ミステリ者の友人に誘われて、思いっきり一般客として行ってきました。
会場がロフトの上だったからオサレなのかと思ってたら横の教室で「ハワイアンキルト講座」とかやってて、これ全力で奥様向けの文化センターやんけと思っていたが、そこは有栖川有栖
ぎっちり妙齢の女性ファンが詰まってた。
わざわざ東京から来た人とかいたらしい。


最後、プチサイン会タイムのときにご挨拶して『密室入門!』にサインをいただいた。
有栖川先生は「どこにいたんですか!?」と大層狼狽しておられた。
常日頃「有栖川先生のお住まいには足を向けて寝られない」とか「鳥飼否宇先生のお住まいには足を(ry」とか言ってるこるものさんだが、奄美大島はともかく、有栖川先生は同じ大阪府民なので実はどっちを向いて寝ればいいのかよくわからない。
淀川を起点に考えるべきだろうか。


講演内容は、「大阪を舞台にした小説あれこれ」
語ることはいろいろあるがメインは海野十三『蠅男』
「戦前の探偵小説って敷居が高い」と思ってる貴方、大丈夫怖くないよ。


てか今一生懸命読んでるけど、何だこの驚愕の密室トリック。
「これは探偵小説だが別に推理小説というわけではない」とか「密室は自分で読んで確かめよう」とかおっしゃった理由がわかったぜ……
確かにこの時代って夢野久作が「処女か非処女か血液検査でわかる」とかものごっつテキトーなこと書いたりしてたけど……
何かもうグレート大阪がどうこうという問題じゃないような……
いやグレート大阪のオチも落語のごとく秀逸だったが……


友人いわく「戦前の小説とか、ツッコミ入れたらいけない法律があるのかと思ってたけどそうでもないんだね」


帝塚山にぶらりと逗留できる旅館なんかねーよ!」というのもアレだが、俺は「天下茶屋の大富豪」が気になってたまりません。
この時代、商売人は船場で大富豪は芦屋に住むもんじゃないの? なぜ天下茶屋? 阪急沿線?


勉強になったというか、得るものが大きすぎてパンドラボックスを開けたようです。
(でもこれ大阪人以外には何が何だかわかんないかもしれない)