バケイション終わり。

さて『フォークの先、希望の後』の校閲ゲラが来たわけだが。


執筆した原稿は出版社で組版され、プリントアウトされて校閲部に回され、念入りに添削されて著者の元に返され、著者校が始まる。
校閲の添削通りに直すかどうかは作家次第。


作家志望の人に言っておこう。
この「校閲」はかーなーりーきつい。
文法は勿論、知識の間違い、倫理的に不適切な表現・所謂出版コード、場合によってはストーリー展開にまでツッコミが入る。


「そういうのって編集さんがやるもんじゃないの?」と思っている貴方。
メフィスト賞に向けて書き直しを指導されている貴方。
本当の試練はその先にある。
嘘か本当か校閲にトリックの穴を見つけられてしまった作家もいるらしい……


明らかな知識の誤りはともかく、真樹の言葉遣いはわざと変にしていることが多いのでつっこまれるとかーなーりーきつい。
基本的に真面目だがときどき真樹語が感染する美樹のもかーなーりーきつい。


つまり作家に必要な素養とはストーリーテリングや表現力だけではなく、指摘されてすぐ書き直す臨機応変さと作品に対する客観的な判断力。
そしてこだわりを貫き通す気の強さだ。


ちなみにこれまでで一番理不尽だと思った校閲は、「“立花(兄)”ってあだ名は変じゃないですか?」
……高校生のつけるあだ名なんだから変な方がキャラが立つだろーが。


校閲ゲラは最初、ざっと目を通してページ抜けがないか、大きなミスがないかをチェックすることから始まる。
(一発訂正すると、後で後で気が変わったときに修正液で原稿が汚くなるから)


校閲は数人でやるものだが、一番字が綺麗な人が清書するので自分の字の汚さが目立ってヘコむのでそのためにも下書き・清書はした方がいい。