伊豆配流ツアー 2日目・伊豆の国市編

 睡眠薬持ってくるの忘れて7時間布団に横になってたけど3時間しか寝てない2日目!
「目を閉じて視覚刺激を遮り、筋肉を弛緩させることに意義がある」と思うしかなかった。
 デジタルデトックスとは何だったのか。
 朝、4時頃に鶯の鳴く声がうるさいので耳栓をする。

 

 既によれよれだが朝湯に入って朝食を食べたらそれなりになった。
 大河ドラマ館は9時開場なのでさっさと行く、その前に。

 現金を下ろしにセブンイレブンに立ち寄ったら初めてヤクルト1000に遭遇。
 探していたのは緑茶青汁だったのだが。
 昨日これがあれば……あんまり変わらんか……

 

 よく見たら大河ドラマ館は『新九郎、奔る!』の聖地だった。
 昨日は気づかなかった。

 

 展示替えで八重さんの隣に千鶴丸、政子の隣に大姫(幼少)が出現。
 やめたげてよ。
 それなら義時の横に金剛も配置してよ、と思ったら巻狩りバージョンの成長著しい板人形が単品で出現していた。
 どうなってるんだ。

 

 展示替えの目玉、兄上の甲冑。
 考証の人がこだわった杏葉つき。
 ここに巻狩りの鹿が出現するの、いつなんだろう。
 あの鹿は歴史考証関係ないから展示しねーよ。はい。
 兄上の甲冑と成長著しい金剛の板人形が同時に存在するの時空がねじ曲がっている。

 

 ムービー再生コーナーにダイジェストと八重さんスペシャル映像が増えている。
 ダイジェストは最初の方は平穏なのに上総介、義仲、義高、宗盛、義経と死ぬ前特集になってて泣き笑い劇場。
 善児の存在は丁寧に消されていた。

 

 八重さん追悼スペシャルムービー新垣結衣インタビュー、「義時さん」という呼び方がよそよそしく「流石ガッキー、仕事を割り切っている」という印象。
「もうクランクアップしてるけど最後まで見てって小栗さんに言われましたー」
 そ、そういえばドラマ内で死体見つかってる設定だったね……いや復活するわけないんだけどバサッと言われるとなんか傷つく……

 

 傷つきながら昨日は休みだった北条時政墓所・願成就院へ。
 ここは自前無料駐車場があるのだがギチギチ。
 例の運慶の阿弥陀如来座像がある。
 そういえばここも新九郎聖地だったね、紀行パロやってたね。

 

 時政の墓で、牧の方の墓はない。無常。
 立て看板とかには「いろいろ誤解があって不幸な最期を遂げました」とふんわり書いてある。
 はっきり言えや。

 

 朝なのでやたらと年寄りが多い。
 ツアーなども出現し始める。

 ここから、トータル20分くらいで近隣の史蹟を巡れると言うので車を置いて歩き始める。
 伊豆の国市推奨の「政子ルート」です。

伊豆の国市/北条家歴史散策マップ

北条家歴史散策マップ cdn.iframe.ly  

 ここから病に倒れた頼家の病状を政子に知らせるため作られた面があるという光照寺へ……

 

「面は一般公開してないから帰ってくれ」という注意書きが入口にあるが……
 それでもなお境内に観光客らしい人々がうろうろしているが……
 話つけとけよ観光協会……

 

 Googleマップでやたら存在感を示す「伝堀越御所跡」
 実際に見たらただの空き地。
 何かと思ったら。

 

 あっああーっ! 新九郎で鎌倉公方になるつもりで鎌倉にたどり着けなくて途中に住んでた人!
 結構手前で足止めされてたんすね!
室町幕府の関東支配の拠点」ってメチャメチャ不貞腐れてたやんけ!
 てか先の展開をネタバレされてしまった!
 ネタバレも何もあったもんじゃないが!
 そこまでに連載何年かかるんだよ!

 

「北条の里さんぽ路」なる名前がついているが特に何もない田舎道を延々と歩いて。

 

 昔は安産祈願に使っていたが今は水も出ない北条政子産湯の井戸。

 

 更に歩いて守山西公園。史跡北条氏邸跡は発掘中のため一部公開。
 ……俺これ『麒麟が来る』大河ドラマ館付近でも見たぞ、発掘中なのでロープ張ってあるだけの謎の空き地……

 

 更にここから八重姫御堂のある眞珠院まで徒歩9分……あれ、計算おかしくないか?
 いや6月に来てよかった。
 紫陽花が綺麗に咲いている。
 紫陽花しかないぞこの道。
 人と出会わないからマスク取りたいぞ。
 薄曇りの梅雨空でなかったらカンカン照りで死んでいるところだ。
 うっかり7月8月に来たら日差しが照りつけるは紫陽花ももう咲いてないはでマジでヤバい。

 

 この直線をずーっと行ったところが眞珠院……げえっ人影が多い!
 バスツアーか!? 御朱印渋滞!?
 と焦ったが、近づいてみたら全部墓石だった。
 なぜそんな見間違いをしたかはわからない。
 今、写真拡大で見たらバッチリ墓石だ。
 人間の目って不思議ですね。

 

 こちらが伊東祐親四女八重姫入水の地ですって川は流れが変わったとかでそんな身を投げて死ぬほど水位あるか?と思ったらこの台風最高水位のマーカーでヒュンッとなる。

 

 頼朝と八重姫の密通が発覚して伊東祐親は激怒して千鶴丸を殺め、八重姫を幽閉するが、八重姫は侍女6人を伴って脱出。頼朝がいる韮山北条時政の邸を訪ねるが、既に頼朝は政子と結婚してしまっていた。父の邸に帰ることもできない八重姫は真珠ヶ淵に入水。連れてきた侍女たちも次々自害した。
 眞珠院では「梯子があれば八重姫を助けられただろうに」と小さな梯子を奉納する。
 ……ドラマの八重さんは梯子で助けられたら素直に「ありがとう」で済むだろうけどその理由で入水した人が梯子で助かって何か救われるんかな……

 

 御堂の中は梯子と古い絵と、気合いの入った最近のファンアートに交じって、芸能人の色紙。
 すわ新垣結衣!?
「江間次郎役・芹澤興人」
 ……イイハナシダナー……

 

 八重姫は梛の枝を手に「末永く不幸な女人の守護神となりましょう」と言い残して入水したという。

 

 ほんのりしんみりとして眞珠院を一歩出ると道の名前がこれ。
 喧嘩売ってんのか?

 

 汗だくで願成就院に戻る。
 この気温はヤバいと塩タブレットを舐め、真水を飲む。
 俺は詳しいんだ。塩タブレット去年のだけど。
 そして車で今度は北條寺へ。
 北条義時が江間村に住んでいたときの館跡の近く。

 

 寺の駐車場にプレハブの小屋があってそこで御朱印と入場券を買う。
 更にこの看板の前に係の人が立っていて、看板に書いてあることを読み上げて教えてくれる。
「あ、あの……自分で読むから大丈夫ですよ……」と言うに言えず、説明を聞くしかない俺。
 恐らく休みの日はこれでは足りないくらい客が来るのだろうがこのとき、俺しかいなかった。
 北条義時の嫡子・安千代(誰?)が大蛇に呑まれ、義時は大蛇の目を弓で射たが倒すことはできず、この寺を建てて供養した。
 マジか。
 ほらなー平安時代、子供がこんなわけわかんない理由で死ぬんだから3人くらいいても全然足りないんだよなー。

 

 何か入場料を取ったからにはとでも言うのかナレーションのない不思議なムービーを見せられたりした。
 北条政子が奉納した中国製の牡丹鳥獣文繍帳というのがとても珍しい秘宝らしくて日陰でひっそり見せてた。
 面白い顔の白澤が刺繍してあった。
 鳳凰はゴージャスすぎてそのままだと雛が怯えるので親鳥はわざと泥で身体を汚してから雛に給餌するとか何とか。

 

 さて北条義時の墓は、寺を出て白い柵のある階段を登って……
 矢印の辺り。
 マジかー……石段九十三段って言うからそれほどでもないけど。

 

 右が北条義時、左がまだドラマに出てない伊賀の方。
 墓は鎌倉にあるので正確には供養塔らしいが泰時が建てたのには違いない。

 

 ここまでで12時。歩き回ってヨレヨレだが、俺には野望があった。
 こうなったら修善寺の範頼の墓、頼家の墓もコンプすると……
 to be continue...