三井寺ツアー(4月23日)

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※緊急事態宣言直前の駆け込みです

 滋賀県に行くコツを心得た。

「京都の重力に捕まらない」

 行きは名神高速で京都をスキップすると超絶あっさり大津に着いた。
 帰りは山科で何が何でもトイレに行く。
 京都に入ってしまうと駐車場のあるコンビニが激減する。

 三井寺思ったより面白かった。

 このところ奈良の寺によく行く俺。
 大体、平重衡に焼かれている。

 三井寺の年表。
 大友皇子の子によって創建した後。

 強訴、焼き討ち、再建、強訴、焼き討ち、再建、隣の寺と抗争、焼き討ち、再建、の繰り返し。
 戦国時代に豊臣秀吉に焼き討ちされた後、江戸幕府になってからは再建ばっかり。

 繰り返される焼き討ちの中に1個、「○○に抗議するべく自門徒が火を点けた」があった。

「お、面白れーヤツ……」

 このケースは初めて見た。

 大友皇子一族が創建なのに天智天皇天武天皇の位牌……じゃないけど何かの牌が置いてあって、しかも天武天皇のが大きくて大友皇子のが小さい。
 晒し者かよ。

天智天皇:兄
天武天皇:弟
大友皇子:兄の息子で正統後継者だがかなり長いこと「天皇様に逆らった皇族その1」の扱いだった人

 次に近江神宮行ったら天智天皇の在位期間4年しかなくて驚いた。
 結構速攻死んでたんだな!?
 中大兄時代メッチャ長くない!?

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 少し時代が進んで、鼠の妖怪・頼豪阿闍梨の社、十八明神社。
 頼豪阿闍梨は子宝祈願の祈祷で皇子を誕生させ、三井寺戒壇の建立を願った。
 だが叡山の横槍で戒壇は認められず、頼豪阿闍梨は断食して、逆に産まれた皇子の呪詛を始める。
 憤死した頼豪阿闍梨は皇子を呪い殺すだけでは留まらず、鼠の群れに変じて叡山を襲い経典をかじり……
 ……この看板の解説では頼豪阿闍梨と十八明神の関係がわからんが……?

 三井寺といえば鐘。
 その昔、俵藤太こと藤原秀郷瀬田の唐橋に住む大蛇に請われて大百足を退治したときに授かった霊宝の1つ。

 が、武蔵坊弁慶に奪われて引きずり回されて傷だらけになって返ってきた。
 弁慶に奪われてから返ってくるのに380年かかったらしい。

 それが令和になると。

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 弁慶と鐘が合体してゆるキャラになって土産を売る。

 これも晒し者か?
 実はメチャメチャ恨んでいるのか?
 大友皇子ゆるキャラにされなくてよかったな……

 左甚五郎作・夜になると動き出すので釘を打たれた龍の像とかある。
 何でもあるなここ。

 ちょっと御堂あるとそこで2つも3つも御朱印書いてるので全体の御朱印が10個以上あって取捨選択を強いられる。
 1個300円だぞ。
 鐘の御朱印は鐘突き券と合体していて800円。
 ここも檀家がなくて観光特化してるパターンか?

 御堂ごとに土禁のレベルが違って戸惑う。

「ここでもう靴脱いでください」
「階段登ったとこまで靴でいいです」
「全部土足で大丈夫です」

 混在しないでほしい。
 特に階段登っていいところ。

 写真撮影禁止だったが本尊の裏にいろいろな仏像を時代で分けずにごっちゃにたくさん並べてあり、単品ではわかりづらい時代別の特徴がわかって面白い。
「江戸時代は彫金技術が発達して精緻でゴージャスだが綺麗すぎてロボットじみててイマイチ」「やっぱ平安時代の丸みがあって手作り感あふれる不動明王迦楼羅炎はいい」とか思うようになる。
 仏像とか鳥居とか本にいろいろ用語解説書いてあっても全然頭に入ってこない。
 現物見ないとよくわからん。

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 映画るろうに剣心1作目ロケ地。
 商売っ気スゴイネー。
 最終章The Finalも雪代縁とここで会話してたような……
 天地明察もここで撮ったシーンあるらしい。
 スゴイネー。

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「これを食べたら昼飯に障る」と思いつつ弁慶力餅食べた。
 神社仏閣といえば甘い餅。

 メチャメチャ降りる階段間違えて、最後、水観寺から出なきゃいけないのに長等神社の方から住宅街に出てしまった。
 容赦のない「再入場禁止」の看板。
 しかし水観寺方面の出入り口でチケット見せてワンチャン言ってみたら入れた。
 あの長等神社の階段、罠だからもっとちゃんと塞いでおいてほしい。

 近所に歴史博物館あったので行ってみたら三井寺よりも比叡山アピールがすごくて視点がぼやけていた。
「特別展示 大津事件」だったらしいが、大津事件を知らん。

「ええと来日中のロシア皇太子が地元警官に斬りつけられるも、外国の皇太子には大逆事件は適応されず犯人は無期懲役に……ロシア皇太子が助かったかどうか書いていないのだ!」

 事件の概要をマンガで描いていたが、1ページ飛んでるのかと思った。
 皇太子はロシアに帰ってロシア革命で処刑されたのでここでは助かったらしい。
 知らない人にわかるように書いてよ!

 何かこのコーナーで異様に盛り上がってた人たち、関係者ですか。

 博物館横の茶店近江牛すじカレー食べて、次は近江神宮へ。

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 ちはやふるの聖地!
 そんで漏刻台がある!

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 日時計

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 火時計。

 あれ、漏刻は?

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 ……まさかこれじゃないよね、これ噴水なんだけど……
 時計館宝物館の中にあるの?

 中にあったのは水が入っていない模型だった。
 そうですよねー水入ってたらメンテ大変だもんねー。
 あ、時香盤がある。
 本物見たかったんだ。
 大きめのパチンコ玉が転がって溜まっていくピタゴラスイッチ時計が面白かった。

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 カルタゆるキャラひかるくん12歳(元服済み)の存在感。
 天智天皇ゆるキャラにはできなかったらしい。
 そういう掟あるのかな。

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 ちはやふるの聖地はちはやふるの聖地アピールがすごい以外は虚無だった。

 まあ余裕持って早めに帰ってもいいが……

 来るとき、どうやら駐車場が山に近すぎてカーナビが発狂した。
 カーナビは立体交差を認識しづらいらしい。
 あさっての方向を突き進んで近所の住宅街の道幅が1台分しかないのになぜか対面通行の道路を通らされた。
 それでぐるっと一周して同じ角に戻ってくると俺も発狂して、カーナビが左に曲がれと言うのを右に曲がったらなぜか無事たどり着いたという狂気のエピソードがあった。
 その最中に看板を見た。

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 宇佐八幡!

 宇佐八幡といえば宇佐神宮神託事件!

 ……あれは大分県でこれは源頼義が……平安時代中期、八幡太郎義家の親?
 などと歩きながらググる
 知識の外部委託のおかげで下調べなしで雑に旅をしても何となく知的に振る舞えるものである。

 近江神宮から宇佐八幡に直接ショートカットする道があるらしいが……

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 幼稚園の横の、これ。

「……俺は職務質問されたことはないが、子のない中年女が保育園や幼稚園や小学校の近くでうろうろしてたら流石にされそうな気がする……」

 行きは大回りした。

 このところ毎日デスストランディングを5時間も6時間もプレイしていた俺だが、反省した。

「パワーアームつけてるんだからもっとしゃきしゃき歩けとか思っていた俺が悪かった。これに基礎装備30kgで赤ちゃん抱えて荷物まで持ってるサムは偉い」

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 宇佐山の傾斜に「あと300メートル」の表示がつらいと思ってたらその後に階段があった。

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 天智天皇の命を救った霊水の井戸。
 こんなところまで水汲みに来させられたらそりゃあ霊的御利益の1つも主張したくなるだろうよ。

 我慢して歩いていたら息が切れて、耳の奥とのどの奥と頭の奥の間がぼわぼわ痛くなっていく。
 ヤバい。
 そしてデスストランディングは登るときより降りるときの方がスピードが出てよろめいてコケやすい。
 何てよくできたゲームなんだ。
 何でこんなときに限って俺はスマートバンドを家に忘れてるんだよ、脈拍計測すべきだろ今。

 あまりに人が通りかからなくて馬鹿馬鹿しいのでついにマスクも外す。

 それでたどり着いたのがここ。

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 センサーで鈴の音が鳴る。
 この無人っぷりは、祭りの日しか神職がいないパターンだな……

 このとき負った筋肉痛が翌週火曜まで響いた……